オフィスに必須のコピー機・複合機のインクの種類とは?インクカートリッジとトナーカートリッジの違いを解説

コピー機や複合機はオフィスには欠かすことができないOA機器ですが、これらのOA機器で使用するインクの種類は大きく分類するとインクカートリッジとトナーカートリッジの2つに分けることができます。一般的に、オフィスではトナーカートリッジが主流ですが、用途および使用頻度によりインクカートリッジの方が良い場合もあります。ここでは、インクカートリッジとトナーカートリッジの違いについて解説します。

コピー機や複合機のインクの種類および特徴

インクカートリッジ

コピー機および複合機で使用するインクには、インクカートリッジとトナーカートリッジの2つに分類されますが、オフィスで使用するものは主にトナーカートリッジです。トナーカートリッジは粉末になっているタイプで、これに対してインクカートリッジは液体などの違いがあります。インクカートリッジは家庭で使用することが多いインクジェット方式に使用されているもので、印刷可能な枚数はインクの種類やコピー性能などにより異なりますが300枚から2,000枚といわれています。なお、インクには顔料と染料の2種類があります。顔料の原料の粉末は細かくて水に溶けています。発色がクリアで鮮やかといった特徴を持ちます。光沢感や印刷表面がきれいなため、このような理由から写真印刷に適しています。これに対して顔料は粉末が完全に溶け切っていないタイプで、紙には完全に染み込まず表面に定着する特徴がありますし、速乾性があることやくっきりとした濃い線を表現できます。 

トナーカートリッジの特徴やコピーおよび印刷の原理

コピー機や複合機はレーザープリンターと同じくドラムカートリッジが使用されています。呼ばれるもので、内部では帯電・露光・現像・転写・定着、5つのプロセスを経てコピーや印刷を実現します。レーザープリンターは静電気を利用していて、帯電プロセスで感光ドラムにマイナスの静電気を付与して露光プロセスでコピー原稿や印刷データに基づいたレーザー光線を照射します。このとき、レーザー光が当たっている部分はプラスの静電気が発生していてマイナス側はなくなります。露光プロセス完了後にマイナスの静電気はコピー原稿と同じ像を描き、現像プロセスでトナーカートリッジの粉末トナーを付着します。そのため、コピー機や複合機などレーザー光線を使うプリンターにはドラムカートリッジとトナーカートリッジの2つが必要になることが分かるのではないでしょうか。これは家庭で利用するレーザープリンターも同じで、粉末になっているトナーを使い印刷やコピーを行っていてインクジェット方式とは原理そのものが異なります。 

トナーカートリッジには鉄粉が混ざっている粉末インクが充填

トナーカートリッジは、レーザープリンターやコピー機・複合機に使用されるインクカートリッジで、内部には鉄粉が混ざっている粉末のインクが充填されています。トナーはミクロサイズの粉末で、静電気により印刷用紙に付着させて、熱および圧力を利用して用紙に定着させて印刷を行います。使用可能な用紙の種類は豊富で、レーザープリンター専用紙・普通紙・再生紙・OA用紙などはもちろん、封筒やハガキ・POPなどさまざまなものを用途に合わせて印刷できます。また、レーザープリンターは用紙1枚当たりの印字速度が速いので大量に印刷するときにも有利です。トナーカートリッジ1本で印刷可能な枚数は5,000枚から2万枚といわれていますので、インクカートリッジが300枚から2,000枚になることから、トナーカートリッジは大量に印刷できることが分かるのではないでしょうか。ただ、印刷可能な枚数は写真や画像の有無、印刷密度(塗り部分の多さ)、カラーやモノクロなどにより変動します。 

インクカートリッジとトナーカートリッジはどちらがおすすめ?

 インクカートリッジはインクジェット方式のプリンターに使用するもので、トナーカートリッジはレーザープリンターやコピー機で使用されるなどの違いがあります。そのため、使用する機器によりインクカートリッジとトナーカートリッジのいずれかが決まって来ますが、どちらがおすすめなのか導入コストや印刷コスト、仕上がり品質や印刷速度の4つで比較すると分かります。複合機やコピー機になると数百万円といった導入コストがかかりますが、インクジェットプリンターなら1万円から3万円程度の購入できます。ただ、40万円から60万円で初期コストは高くなります。印刷枚数が少ない場合はインクカートリッジを使うインクジェットプリンターの方が安く済みますが、大量に印刷するとインクカートリッジの減りも早くなりますし、レーザープリンターより印字速度が遅いため電気代も余計にかかるなど注意が必要です。なお、インクカートリッジは色の再現性が高いため写真やイラストなど細かな色を表現したいとき有利で、トナーカートリッジは色の定着が良く滲みにくいためドキュメント中心に印刷に適しています。 

大量印刷するならトナーカートリッジに軍配

 家庭用プリンターは、購入コストが安いインクカートリッジが採用されますが、レーザープリンターはもちろんビジネス用途で使用するコピー機・複合機はトナーカートリッジが主流です。プリンターの本体価格はインクジェットプリンターの方が安く購入できますが、レーザープリンターも中古品を選ぶことで導入コストを抑えることが可能です。インクジェットプリンターの寿命は利用頻度にもよりますが、3年から5年といわれていることや印刷の耐久枚数は2枚といわれています。これに対しレーザープリンターの場合はドラムカートリッジを交換するなどメンテナンスをしっかり行えば、長期的に利用することができます。なお、大量に印刷するときのスピードですが、インクカートリッジを使っているプリンターは1枚の印刷時間がレーザープリンターより長くかかるので大量に印刷するときにはトナーカートリッジを使っているコピー機・複合機やレーザープリンターに軍配が上がります。また、インクカートリッジは印刷可能な枚数が少ないのでカートリッジの交換頻度は高くなりがちです。 

インクは純正を使用することが基本

インクカートリッジやトナーカートリッジには、プリンターやコピー機を製造しているメーカーの純正と他のメーカーが開発した互換の2種類があります。価格は互換タイプの方が安いのですが、互換インクを使ってプリンターやコピー機が故障したときの修理代は純正を使っているときよりも高くなるといわれています。インクジェットプリンターやレーザープリンターを購入すると1年程度の保証期間が設けてあるわけですが、保証期間中に故障したときには無償修理が適応されますが、互換タイプを使っていると保証修理が適応されません。印刷品質は純正・互換ともに問題はないケースが多いのですが、壊れたときの修理代や保証を考えるとメーカー保証が付いているトナーカートリッジやインクカートリッジを使用していた方が安心です。インクカートリッジは液漏れして内部のパーツにダメージを与えることがある、トナーカートリッジもトナーが漏れてしまい機構部などにトナーが付着するなど故障の原因になることもありますので、純正インクを使うことをおすすめします

まとめ

インクカートリッジとは、液体インク(顔料もしくは染料)が充填されていてインクジェットプリンターに利用するものです。トナーカートリッジは鉄粉が混ざっている粉末のインクでもあるトナーが充填されているカートリッジで、コピー機や複合機、レーザープリンターに利用する専用のカートリッジです。トナーカートリッジは大量印刷するときに役立つ存在になってくれる、これに対してインクカートリッジは写真などの印刷に適しているなどの特徴や違いがあるので、用途によって使い分けすると良いでしょう。